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企画・脚本・監督

高橋ヨシキYOSHIKI TAKAHASHI

Profile:

高橋ヨシキ

1969年東京都出身。
早稲田大学第一文学部中退・復学のち除籍。映画雑誌を中心に、テレビ、ラジオ、インターネットなどメディアを横断して映画評論活動を展開。映画評論集『悪魔が憐れむ歌』(洋泉社)シリーズ、NHKラジオの人気映画コーナーの書籍版『高橋ヨシキのシネマストリップ』(スモール出版)シリーズ、ディズニー映画を技術面から解説した『暗黒ディズニー入門』(コア新書)など著書多数。映画評論のみならず、実話怪談『異界ドキュメント』シリーズ(全3巻・竹書房文庫)、異色の人生相談本『高橋ヨシキのサタニック人生相談』(スモール出版)、小説版『アイアン・スカイ』(竹書房映画文庫)など、フィクション、コラムなど幅広い執筆活動を行っている。さらに翻訳者として『ゾンビ映画年代記』(パイインターナショナル)、『BURNINGMANARTONFIRE(バーニングマンアート・オン・ファイヤー)』(玄光社)を手がけたほか、ティモ・ヴオレンソラ監督作品『アイアン・スカイ』『同2』、タイ・ウェスト監督作品『サクラメント/死の楽園』といった映画の字幕翻訳も担当している。高橋はまたグラフィック・デザイナー/アート・ディレクターとしても知られており、書籍の装丁、CD・DVDのパッケージデザイン、映画ポスターなど、手がけた作品は膨大な点数にのぼる。アート・ディレクションを務めた映画ポスターも『ヤッターマン』(2009年)や『電人ザボーガー』(2011年)、『片腕マシンガール』(2008年)、『牙狼-GARO-~REDREQUIEM~』(2010年)などの日本映画、また一連のロブ・ゾンビ作品(『マーダー・ライド・ショー』『ロード・オブ・セイラム』『31(サーティーワン)』『スリー・フロム・ヘル』)、SXSW映画祭で観客賞を受賞したトレント・ハーガ監督作品『68キル』(2017年・アメリカ)、『悪魔のいけにえ/レザーフェイス一家の逆襲』(2013年・アメリカ)など多数。デザイン・ワークは紙媒体にとどまらず、『電人ザボーガー』『ヌイグルマーZ』(2014年)などモーション・グラフィックによるタイトル・クレジット場面を担当した作品も多岐にわたる。さらに高橋はこれまで監督としてスピンオフ短編をいくつも手掛けており、そのマルチでユニークな才能は兼ねてより注目されてきたが、ついに今回、初の劇場用長編作品の監督デビューを果たした。

Greeting:

ぼくは長年に渡って、映画を紹介したり批評したりする仕事をしてきました(今もしています)。

一方で「映画を作りたい!」という気持ちは、13歳のときに初めて8ミリカメラを手にとったときからずっと抱き続けて来たものでもあります。
そして、もし映画を作るなら、それはクレイジーで、バイオレントで、黒い笑いを伴ったエンターテインメント作品にするしかない、というのも同じようにずっと考えてきたことであり、その信念は十代のときから変わっていません。

と、思っている間にも月日は経過し、気づけばぼくは40代後半になっていました。
しかし年齢がなんだというんだ、ここで諦めてしまっていいわけがない、と思ったぼくは、ある晩、旧知の俳優の川瀬陽太さんに意を決して相談してみることにしました。それが全ての始まりでした。そのときは脚本さえありませんでした。「ジャンル映画として一定の枠を設けるという意味で、〈刑事もの〉にしたらどうだろう?」と提案してくれたのも川瀬さんです。

そこから徐々に、素晴らしいキャストの皆さん、非常に優れたスタッフの皆さんを巻き込む形で『激怒』がゆっくりと動き始めました。この映画はぼくにとって初めての劇場用長編映画であり、製作にあたっては文字通り全身全霊を注ぎ込みました。ジャンル映画にはジャンル映画にしかできない「戦い方」がある、とぼくは信じています。

クレイジーで、バイオレントで、黒い笑いを伴ったエンターテインメント作品としての『激怒』を皆様に楽しんでいただければ幸いです。関わったすべての人と、これから『激怒』をご覧になる全ての皆さんに心より感謝いたします。

高橋ヨシキ